サントリー烏龍茶

 茶はツバキ科カメリア属の多年生常緑作物で、原産地は中国の雲南やチベットの山岳地帯、ビルマ国境の奥地といわれている。

 人間が茶を飲用するようになったのは、古代中国で偶然に始まったといわれている。説としては2つの説がある。1つは古代中国の炎帝・神農皇帝の伝説である。神農は紀元前3400年頃にいたといわれる伝説上の人物で、農耕および薬の祖といわれている。神農が飲み水を沸かしていたところ、そばにあった茶の葉が釜に入り、それを飲むと香りが高く、味も良かったので茶の飲み方を研究し、人々に教えたという説である。また、神農は、百草(数多くの草)を嘗め、一日に72の毒にあたったが、そのつど茶を飲むことによって解毒したといわれている。(コカ・コーラの「神葉」はこの神農伝説から来ている)
 もう一つの説は、西暦510年頃の達磨大師の伝説であり、修行中の達磨大師が3年目に猛烈な睡魔に襲われ、手近にあった樹の葉を数枚ちぎって噛むと、眠気が去り、おかげで9年間の不眠の苦行が成就できたのが茶の葉のおかげであったということである。

 茶の茶が文献上に現れたのは西暦221〜265年ころの中国三国時代(いわゆる「三国志」の頃)以降で、不老長寿の薬として普及した。唐の時代には文人である陸羽鴻斬が「茶経」を著し、茶の栽培・製造方法・効用・入れ方等を解説したことから、喫茶の風習が広まったといわれる。

 以降、中国三千年の歴史を経るにつれ、茶は産地毎に特徴のある茶が生産されていった。烏龍茶も中国茶の一種、福建省を中心に生産される半発酵茶の一種である。17世紀前半にヨーロッパに初めて茶が輸出されたのは紅茶ではなく、烏龍茶であったというのが定説となっている。

 日本においても烏龍茶は明治時代に中国より製法を学び製造したこともあったが、長続きせず忘れられた存在となっていた。そんな烏龍茶が一躍茶飲料の主役に躍り出たのは、1979年(昭和54年)に伊藤園が烏龍茶を輸入したのがきっかけである。伊藤園は烏龍茶が売れることをほとんど期待していなかったが、当時の人気歌手、ピンクレディーが日本茶の名産地静岡県の出身であるにもかかわらず「美容と健康のために飲んでいます」とテレビで語ったのが引き金になり、空前の烏龍茶ブームとなった。(後に静岡産日本茶の宣伝ポスターに出演し『私たちは静岡県の出身です』と書いてあった)

 第一次烏龍茶ブームは粗悪品が出回ったため下火になったが、その後1981年(昭和56年)に缶入り烏龍茶飲料(伊藤園、サントリー)が発売されたことから、1984年(昭和59年)に第二次ブームが発生し、烏龍茶は缶入り飲料の定番となり現在に至っている。

 今回は当アーカイブに収蔵されているサントリー缶入り烏龍茶を紹介する。パッケージは発売当初から変化が無いように思えるが、実は細かいところで変化しているところに注目願いたい。

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1) 烏龍茶/サントリー/4901777004825/340g/1991年/3ピース缶
2) 烏龍茶/サントリー/4901777004825/340g/1993年
3) 烏龍茶/サントリー/4901777004825/340g/1998年
4) 烏龍茶/サントリーフーズ/4901777004825/340g/2003年

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5) 烏龍茶/サントリーフーズ/4901777120389/160g/2004年
6) 烏龍茶/サントリー/4901777000247/190g/1999年

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7) 烏龍茶/サントリー/4901777032538/480g/1997年
8) 烏龍茶/サントリーフーズ/4901777032538/480g/2004年
9) 烏龍茶/サントリー/4901777078390/400g/2001年
10) 烏龍茶/サントリーフーズ/4901777078390/400g/2005年

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11) 温烏龍茶/サントリー/4901777059269/245g/1999年
12) 烏龍茶/サントリーフーズ/4901777115453/300g/2003年
13) 烏龍茶/サントリーフーズ/4901777151253/300g/2005年

●記念缶

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14) 烏龍茶/サントリー/4901777021921/500g/1992年/10周年多謝缶
15) 烏龍茶/サントリー/4901777004825/340g/1993年/アシアナ航空 富山〜ソウル定期便就航記念
16) 烏龍茶/サントリー/4901777024601/500g/1994年/ローソンお買い得バージョン
17) 烏龍茶/サントリー/4901777004825/340g/1997年/国民文化祭・かがわ'97


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