ビールメーカーの果汁飲料
 以前は結婚式や宴会というと、酒の飲めない人のためにオレンジジュースを主とする果汁飲料や、サイダーをはじめとする透明炭酸飲料が用意されているのが常であった。まだ酒の飲めないお子ちゃまはともかく、すでに年を召した方々に、甘ったるい味は受け入れられなかったのではないかと思う。お茶が用意されればそのような問題は解決するのだが、当時お茶は宴会の前に控室やロビーで待っている間、もしくは二次会(ときには三次会・四次会以降も)の後、へべれけになった状態で出てくるお茶漬けでしか飲めなかったものである。しかし、十数年前からの茶飲料、特に烏龍茶飲料の普及により、宴会中においても茶飲料が缶や瓶で飲めるようになり、それが普通の光景となってきている。

 宴会用の果汁飲料や透明炭酸飲料はビールメーカーの手によって供給されていたのはすでにご存じだと思う。そのせいか、缶飲料に関しても、同様の製品を缶飲料にし、自販機ルートに乗せていた。しかし、そのような果汁飲料・透明炭酸飲料が自販機から消えているのにお気づきであろうか。前述した宴会でのノンアルコール飲料における嗜好の変化も考えられるが、業務用飲料と個人向け飲料では飲用目的が異なる、ということに気づいたのもあるかもしれない。沖縄のオリオンビールから果汁飲料や透明炭酸飲料が出ていないのは、沖縄がアメリカの支配下にあった関係で、成熟したソフトドリンクビジネスがアメリカから導入されていたから、と考えると納得がいくのではないかと思う。

 今回は、そのような理由で消えてしまったビールメーカーの果汁飲料についてスポットライトを当てたいと思う。なお、アサヒビールに関しては、1997年1月にバヤリースの歴史に関して発表しているので、そちらを参照願いたい。ちなみに、説明順は現在のビールの販売シェアではなく五十音順である。念のため。

●アサヒビール

1997年1月発表「バヤリースの歴史」へ

●キリンビール

 1953年発売のキリンジュース(その後キリンオレンジに名称変更)もキリンオレンジ・きりりにモデルチェンジし終売に。

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1)キリンアップル/キリンビバレッジ/4901411223216/350g/1991年
2)キリングレープ/キリンビバレッジ/4901411223315/350g/1991年
3)キリングレープフルーツ/麒麟麦酒/4901411223414/350g/1990年

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4)キリンオレンジ/キリンビバレッジ/4901411236117/350g/1991年

●サッポロビール

 1997年12月でリボンちゃんは生誕満40年になった。記念イベントの開催や記念グッズの販売があるものと期待したが、結局何も行われなかった。恵比寿ガーデンプレイスの建設で精力を使い果たしたサッポロにこのような些細な事を望むのは無理だったのであろうか。しかし、バヤリース坊や、キリンレモンくん、ペプシマンなどに代表される最近のキャラクタービジネスの活況からは一歩も二歩も遅れていることは否めない。(これらのキャラクターはアサヒ、キリン、サントリーとビールメーカーが必ず絡んでいることにも注意)

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5)リボン・オレンジ/サッポロビール/4901880451318/350g/1991年
6)リボン・グレープフルーツ/サッポロビール/4901880451325/350g/1991年
7)リボン・アップル/サッポロビール/4901880451356/350g/1991年

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8)リボン・グレープ/サッポロビール/4901880451370/350g/1991年

●サントリー

 洋酒がメインであったため、どちらかというとカクテル用ミキサーや果汁コンク飲料が先に販売されていた。果汁飲料に積極的に参入したのは1970年代後半からである。

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9)サントリーオレンジエード/サントリー/4901777002760/350g/1991年
10)サントリーグレープエード/サントリー/4901777002777/350g/1991年
11)サントリーアップルエード/サントリー/4901778003552/350g/1990年

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12)サントリートロピカルパンチエード/サントリー/4901777003569/350g/1991年
13)サントリー青りんごレモンエード/サントリー/4901777011687/350g/1991年


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