そふとどりんく・とーく 第7回

 彼女は二度それを口に含んだ

 広末涼子。早稲田大学に入学するま
では、確実に一世を風靡したアイドル
であった。(過去形であることに注意)
最近、このヒロスエが気になっている。
と言っても、彼女や愛人にしたいわけ
ではない。(向こうから来ていただく
分には大歓迎だが)
 彼女は昨年までアサヒ飲料の紅茶飲
料「ティオ」のCMに出演していた。
超売れっ子アイドルを採用する大企業
という図であった。ところが、今年の
夏からタマノイ酢の「はちみつ黒酢ダ
イエット」のCMに出演している。ど
うしてタマノイ酢に移ってしまったの
だろう。アイドルとしての価値が無く
なってしまったからだろうか。きっと
そうに違いない。
 ところで、彼女のアイドルとしての
価値はともかく、以前から飲料CMに
関して不思議に思っていることがある。
一度飲料のCMに出演したタレントは、
また別の会社の飲料CMに出演するこ
とが多いのだ。例を挙げてみよう。

木村拓哉
 オロナミンC
     →森永ウイダーインゼリー

高橋克典
 ジョージアコーヒー
         →ヤクルトジョア

本上まなみ
 コカ・コーラ爽健美茶
  →サントリービタミンウォーター

桑田圭祐(サザンオールスターズ)
   オロナミンC→キリンジャイブ

ブルース・ウィリス
 キリンポストウォーター
       →ジョージアコーヒー

中谷美紀
  キリンレモン→伊藤園おーいお茶

高倉 健
    ポッカコーヒー→キリン生茶

パフィー
 キリン天然育ち
       →サントリービックル

安室奈美恵
 ダイドーミスティオ
       →アサヒナイス・ワン

中山エミリ
 ポカリスエット
      →ファンタクリアピーチ

松嶋菜々子
 アサヒ・クリアリー・カナディアン
           →キリン生茶

松井稼頭央(西武ライオンズ)
 UCCコーヒー
       →サントリーデカビタ

反町隆史
 UCCスーパー2
      →コカ・コーラリーフス

矢沢永吉
   コカ・コーラ→サントリーボス

 探せばまだまだ見つかるのだが、今
回はこの辺でやめにしておこう。これ
らのタレント、爽やかさや男らしさで
売っているタレントゆえ、清涼飲料の
CMに多用されるというのは理解でき
るが、他に共通点はあるだろうか。
 今回挙げたCMに登場したとき、既
に有名だったのは高倉健、矢沢永吉と
桑田圭祐くらいであろうか。他のタレ
ントはデビューしたばかりの頃に出演
し、メジャーになって再度登板、とい
うケースは多い。しかし、同じ会社や
商品に長くかかわることは少ない。
 昔だと「この会社・商品だとこのタ
レント」とイコールで結びつけられる
商品が多かった。バーモントカレーと
いえば西条秀樹(古いかな?)、桃屋と
いうと三木のり平が思い出される。
大塚製薬だと大村崑だろう。もちろん
大村崑といえばオロナミンC。どんな
に有名な巨人の選手でも数年で代わっ
てしまうが、大村崑は永遠のオロナミ
ンC専属タレントだと思う。
 ところが、以前会社の女の子とヤク
ルトジョアのCMタレントの話をした
ときに、私は「ジョアといえば小柳ル
ミ子を思い出す」と言ったら、「私は
荒木大輔です」と言われ、ジェネレー
ションギャップを感じてしまった。
 このように商品のCMタレントがコ
ロコロ代わるのは最近だと日常茶飯事
であるが、逆にこれは商品とタレント
の結びつけを固定させない為に行って
いるのかもしれない。不祥事が起こっ
たときのイメージダウンを抑制する意
味からも、敢えてタレントによる商品
イメージをつくり出さないためなのだ
ろう。ここが昔のCMと違っていると
ころなのだと思う。
 商品に自信が無いときはタレントに
頼るのが広告業界のお約束だそうなの
だが、頼り方も歴史を経るとともに変
わってきている。テレビを見る側から
すればタレントがたくさんCMに出て
くるのはうれしい事なのだが、いつに
なったらテレビに自信のある商品だけ
が出てくるようになるのだろう。

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