CC JAPAN「IBD患者の好きな清涼飲料水」

 ミネラルウォーター

 夏休みになると旅行に出かける方も多いと
思う。最近では海外旅行の方が国内旅行より
安かったりするので、海外も行きたいと思う
だろうが、心配なのが「水」。そこで今回は
飲料水についていろいろ考察してみたい。
 海外に行った時、生水は飲んではならない
とよく言われる。私も以前、中国で一ヶ月間
仕事をした時、水道水は絶対飲まないと心に
決めたのはいいのだが、なぜかミネラルウォ
ーターのような飲料水を見かけなかったので、
ずっとコーラ(可口可楽)ばかり飲んでいた。
一緒に仕事に行った人たちは昼からビールを
飲んでいたが、アルコールに弱い私にとって
「昼からビール」は生水以上に危険(笑)なの
で、さすがにこれはできなかった。
 水は注意したが、料理(もちろん中国料理)
に使われる油が合わなかったせいか、結局最
後の半月は下痢気味だった。まあ、飲食物も
原因の一つであるが、慣れない場所での緊張
という精神的なものもあるらしい。
 どうして海外の水は注意せよと言われるの
か。それは雑菌が入っていることと硬度が高
い(ミネラル含有量が多い)からと言われる。
雑菌はどちらかというと発展途上国の話だろ
うから仕方がないと思うので、硬度の方に注
目してみたい。
 硬度は水1リットル中のカルシウムの量(mg)
を2.5倍、マグネシウムの量を4倍して足した
数値をとる。これは炭酸カルシウムや炭酸マ
グネシウムに換算したときの量にあたるそう
だ。そういえばマグネシウムは大腸検査の時
に飲まされる下剤、『マグコロール』の成分
(クエン酸マグネシウム)ではないか。私も何
回か腸のレントゲンを撮ったことがあり、検
査前日の晩に飲まされたが、これほどおいし
くて、効果てきめんな下剤は無かった。確か
に硬度が高いと腹を壊すというのは、あなが
ち誤りではない気がする。
 さて、海外の水は本当に硬度が高いのか。
インターネットでミネラルウォーターに関す
るホームページを調べてみた。日本の水道水
は硬度20〜80と言われている。日本では硬度
100以下を「軟水」と呼ぶそうだから、日本
の水道水は純然たる軟水な訳だ。確かに市販
されている国産のミネラルウォーターを見て
も、硬度100を超える商品はほとんど無い。
容易に入手できる物としては、ハウス食品の
「六甲のおいしい水」の硬度84というのが最
高値である。
 では、海外のミネラルウォーターはどうで
あろうか。バルヴェール(硬度177、以下同)、
エビアン(297.5)、ペリエ(364.5)、ヴィッテ
ル(649)等、こちらも有名どころを見ても、
硬度は日本の水の10倍〜20倍以上である。コ
ントレックスというフランスの水は硬度1500
だそうで、見ただけでも腹がゆるくなりそう
だ。この水のキャッチコピーは「ダイエット
の水」らしい。なるほどと頷ける。
 しかしながら、ご覧の通り数字にはバラツ
キがある。ということは海外の水も硬水だけ
でなくて軟水もあるのだろうか。実はその通
りで、海外のミネラルウォーターにも軟水が
あるのだ。ヴォルヴィックの硬度は50、クリ
スタルガイザーは38である。サントリーの
「南アルプスの天然水」が硬度が33であるか
ら、日本のミネラルウォーター並みである。
これだったら硬度が原因でお腹がゆるくなる
ことも無いだろう。
 以上のことから、探せばどうにかなると考
える。泊まったホテルのコンシェルジェに聞
くのも一つの方法だろうし、街中のスーパー
やコンビニに出かけていくというのも(ただ
し治安には注意)面白いかもしれない。軟水
はsoft water、硬水はhard waterと英語で言
うそうなので、海外でも人に聞くのは難しく
ないと思う。
 せっかく楽しみにしていた旅行なのに、ち
ょっとした事が原因でつまらなくなってしま
うのは悲しい。手間はかかるかもしれないが、
それも旅の思い出の一つになるだろう。

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