Dr.久須美のドリンク研究所 第56回

 
食物繊維入りで血糖値ダウン
特定保健用食品になった緑茶飲料


 伊藤園の「緑茶習慣」は、食物繊維入りの特定保健用食品として
厚生労働省から許可された緑茶飲料。緑茶飲料開発の歴史と市場の
発展、今後の展開を考える。

 今回は伊藤園の「緑茶習慣」。食物
繊維入りで、特定保健用食品として厚
生労働省から許可された緑茶飲料であ
る。特定保健用食品のお茶というと、
ヤクルトの蕃爽麗茶、以前紹介したカ
ルピスの健茶王などがある。これらの
お茶はどれも食事における糖の吸収を
ゆるやかにし、血糖値の急激な上昇を
防ぐ働きがあるそうだ。
 そういえば、伊藤園は日本で初めて
缶入り緑茶飲料を作った飲料メーカー
と言われる。緑茶飲料を開発する上で
一番問題となるのが、酸化による水色
(すいしょく)の変化であった。急須
で緑茶をいれて、湯飲みに入れっぱな
しにしておくと、どんどん色が変わっ
てしまうが、これはお茶が酸化してい
るからである。そこで伊藤園は「T/
Nブロー製法」を開発、原料や容器か
ら徹底的に酸素を除去、缶緑茶をこの
世に送り出すことができたのだ。
 その後、伊藤園だけでなく、他のメ
ーカーからも多数の緑茶飲料が販売さ
れ、早や十数年が経った。最近では玉
露を使用したり、抹茶も入り、味で勝
負の緑茶が多くなってきたが、中身は
どんぐりの背比べ、CMタレントの勝
負になってきたような気がする。
「緑茶習慣」は、新しい緑茶飲料の道
をつけてくれるのではないだろうか。
今後も緑茶は伊藤園がリードしていく
のではないかと思っている。
●試飲コメント

 最近の緑茶は玉露入りが多く、甘味もコクも深
めだが、これは味も見た目も普通の緑茶。もう少
しコクがあっても良かったと思う。

●五段階評価

甘味 3
渋み 2
香り 3
コク 2
ダイエット度 5


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